すべてはあの日、渋谷スクランブル交差点で「芸能人になりませんか?」とスカウトされたときから始まった――。
2022年に約10年間のAV女優としての活動に終止符をうち、同時にストリッパーも引退、今後は俳優として活動することを宣言した著者。
この小説には地方に住んでいた普通の女の子が人気AV女優まで昇りつめ、そしてまさに今から俳優として旅立っていく、そのすべてが描かれています。
一人の若い女性が七転八倒しながら、それでも光を求めて立ち上がり、けっして歩みを止めずに前進し続ける姿に、ファンはもちろん、多くの人が心を揺さぶられることでしょう。
引退を機にすべてを描いた全裸女優の自伝的小説、ここに誕生!
~本文より抜粋~
シャワーをアソコに当てると、ヒリヒリと痛みが走った。
引き裂かれるような激痛に、じっと耐える。
「引退まで、あと二二本……」
声に出してみる。
引退までは駆け抜けると、完走すると決めたから、絶対にやり抜きたい。
ファンのみんなが喜んでくれるような作品を、最後まで届け続けたい。
「がんばって私の身体……」
絞り出すように言葉にして、私は私をさすった。